椰子とタイの密接な関係。
前回、タイでニッパヤシを見学してきました。
何千種とも言われる椰子科の植物で
マングローブ植物7種のうちのひとつでもあり
日本では沖縄県西表島のみ生育し、天然記念物にも認定されているんですって!
このニッパ椰子、タイ語で“ジャーク”と呼ばれ、
タイでは、中部~南部に分布しています。
サムットプラカン県、チョンブリー県の名物にもなっている
“カノム・ジャーク”は、
黒もち米と、ココナッツシュガー、ココナッツミルクを混ぜ、
ヂャークの葉に包んで炙ったタイの素朴なお菓子。
お菓子だけでなく、幅広い利用用途があるというので
張り切って行ったら
待っていたのはこの頼りない船。
(以前浸水した経験からちょっと臆病になってる)
グラグラ揺れる船に何とか乗り込み
ジャークの森へ・・・
「伏せてー!危なーいっ!!」てジャングルクルーズの
お兄さんの声が聞こえそう。
20分ほどして一軒のお宅に到着し、
チャークの主な利用用途について
教えてもらいました。
まず、幅広い用途に使用される樹液。
花軸部分に切り込みを入れ、樹液を採取し、
そのまま発酵が進めば、お酒になります。
お酒の密造はもちろん、タイでも法律で禁止。
結構捕まった人も多いんですって。
だって、放っておけばできるなんて
猫に鰹節だわ・・
更に、何日間か発酵させれば酢になります。
↓は、2週間ほど経ったもの。
コップに入れてくれたので、なんだか見た目甘くておいしそうだったので
ゴックンいったら・・・
ピェーーーー!
びっくり、酢そのものでした。
樹液を煮詰めれば優しい甘みの砂糖となります。
ココ椰子から作ったナムターン・マプラーオ(ココナッツシュガー)より
甘みがマイルドなのだとか。
この周辺の人々はジャークで生計を立てる人も多いのだそう。
丈夫なジャークの葉は、こんな風に編んで屋根材になります。
どうですか?と聞いたら
最近、ジャークの葉を屋根材に使うリゾートが増えたので
儲かってるよー!って。
たしかに、最近お洒落なナチュラルリゾートが人気なので
ジャークの葉は大活躍だと思いますね。
話を聞かせてくれた、渋いおじさんが吸っているのは、
乾燥させたジャークの葉で巻いた葉巻き。
そして、チャークの実は
チュアム(砂糖煮)にして食べられます。
他にも、葉をほうきや籠を作ったり
OTOP=One Tambon One Product(一村一品運動)
製品にもなり村人の生活を支えているんですねー。
土地の環境そのものが人々の生活となっていました。
タイ料理の先生が、椰子とタイの密接な関係を熱く語っていたのを
思い出しました。
風土を知れば文化が見えてくる。
ううむ、各地でウルルンしてみようかしら・・。